2023/10/01帯状疱疹ワクチンを実施しています。
帯状疱疹後の神経痛で困っている方が多いのを見て、当院では帯状疱疹ワクチン(自費)の接種を開始しております。
- ●帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方にぴりぴりとした痛みとこれに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に現れる病気です。
身体の中に潜んでいた、 水痘帯状疱疹ウイルス によっておこります。はじめて水痘帯状疱疹ウイルスに感染したとき(主に小児期)は、 水ぼうそう になります。
水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜んでおり、加齢やストレス、過労などが引き金となり潜んでいたウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。
- 特徴
60歳代を中心に50歳代から70歳代に多くみられますが、若い人に発症することもあります。
50歳以上は、80歳までに 約1/3の方が、帯状疱疹を発症します。
通常、この病気は皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もピリピリとした痛みが持続することがあり、これを 帯状疱疹後神経痛 と言い、大変やっかいです。
痛みが1年以上にわたって続くことも希ではありません。 痛みが継続する場合は、主に麻酔科医師によるペインクリニックに通院されている方も多いようです。
- ●帯状疱疹後神経痛とは?
神経の損傷により、皮膚症状が治った後も3か月以上痛みが続いている状態を呼びます。
帯状疱疹を発症した50歳以上の約3割の方が、帯状疱疹後神経痛になると言われています。
- 治療:帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチンは下記の通り、現在2種類あります。
効果や費用などに違いがあります。
- (1)従来型生ワクチン(1回接種) 弱毒生水痘ワクチン 従来型 商品名:「ビケン」
弱毒化された生きたウイルスが含まれており、小児に使用する水痘ワクチンですが、帯状疱疹を予防する効果があります。
1回の接種で済みますが、有効性は約60%で、5年を超えると有効性が低下します。
接種費用は8,000円(税込) です。- (2)シングリックスワクチン(2回接種) 不活化ワクチン 商品名:「シングリックス」(製薬会社:グラクソスミスクライン(GSK))
2か月間隔で2回接種(合計2本)が必要ですが、 予防効果が90%以上と高く、効果の持続も10年程度 見込まれます。
生ワクチンに比べると、注射部位の痛みや発赤、腫れやなどの副反応が多く出ると言われます。
接種費用は1回22,000円(税込)、(2回接種で44,000円(税込))です。- どちらを勧めるか? 予防効果、効果の持続性の観点から、新しい、シングリックスワクチンをお勧め致します。
しかし、従来型も効果がないわけではありません。
ワクチンをご希望の方は予約されて下さい。
現時点で、ご希望の予約時間に接種できますが、コロナワクチン接種を第一に優先しますのでその際はご了承下さい。
※コロナワクチン4回目接種も行政の方針に沿って、対象者に接種を準備中です。
●50歳以上、70歳以上ともに、帯状疱疹後神経痛の発症は、シングリックス接種群で有意差をもって抑えられていました。
(50歳以上:グラクソスミスクライン(㈱)提供パンフレットより)
(70歳以上:グラクソスミスクライン(㈱)提供パンフレットより)