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2023/07/24患者さんにも知ってほしい ヘリコバクター学会2023のポイント

患者さんにも知っていただきたい重要ポイント (2023 ピロリ菌学会)

1) 北海道日高町、函館市、青森県や高槻市、横須賀市、四日市市、佐賀県などで、公費で中学生の胃液や血液検査でピロリ菌陽性、陰性の検診が実現している。ただし、現時点で除菌薬の保険適応はない。中、高校何年生で調べ、いつ除菌治療するのか、胃内視鏡検査をするのか、いつすればいいのか?などの検討がヘリコバクター学会などでなされているが、全世界がこれまで未経験の課題であり、学会としては、十分前向きしかし、慎重な方針決定の重要な時期にある。

2) ピロリ菌感染診断の最新情報:胃カメラで萎縮性胃炎等のピロリ感染胃炎を肉眼で確認した直後に胃液も採取し、核酸増幅法(PCR法)により50分でピロリ陽性か、陰性かの存在診断が可能になった。PCR機器が高額なため、一般臨床施設での普及が遅れている。

3) マウスの実験より、ピロリ菌は確かに胃癌発癌の大きな要因だが、プラス胃内の他の多菌株の腸内細菌叢microbiota or microbiome(昔の、腸内フローラ)との関連がむしろ重要だと、ピロリ菌感染前にどんな菌(多数の菌叢)が先に感染していたかで、その人の大人になってからの胃腸内細菌叢が決まる。逆に、子供のうちに、いい善玉菌が腸内に植え付けられればその子供は将来病気になりにくい。 三好(杏林大学)ら Gastroenterology 2021

4) ヒトの胃、腸内細菌叢は生まれる産道通過時とその前後で母親の腸内細菌叢が子に受け継がれる。カイザーで生まれた子と将来の腸内細菌叢が異なる。
Chuら Nature Medicine 2017

5) CD44v9遺伝子から発現するv9タンパク質が多いと胃癌発症しやすい。このカスケード下流の因子について、そのknock out mouseの蛋白発現と発癌への関与について、多くの研究がなされて進行中である。 (基礎研究)

6) ピロリ菌が胃細胞に感染する際に、細胞膜下にあるCAG-A蛋白が重要な役割をはたす。SHP2に酸化的リン酸化により胃癌を発癌させる。cag Aを遺伝子導入したtransgenic mouseを作成実験して発癌機序を解明した。下流のRASを活性化により、核内のシグナル伝達を撹乱する。cag AのC末端の分子が重要だと、東アジア型cag A、欧米型cag Aは、 C-segmentが重複すると発癌しやすくなる。重複数で決まっていた。 長瀬ら Scientific Report 2015

7) 砂ネズミの胃にピロリ菌を感染者させた実験動物モデルが確立されていたが、ブリーダーの感染事故や採算性が悪いなどより中止された。代わりに、肺炎球菌や恐らくピロリ菌にも感受性が高いMPCマウスが作成され、ピロリ菌感染の実験モデルとして確立されつつある。(基礎研究)

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